働く人に多いメンタルヘルス不調
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皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。
今回は、職場でよく見られる【メンタルヘルス不調の診断名と対応】についてお話しします。
メンタルヘルス不調とは、過度なストレスなどを背景に、こころやからだの不調が起こる病気の総称です。厚生労働省の「労働安全衛生調査」によると、メンタルヘルス不調により1か月以上休業した労働者がいた事業所は1割を超えており、いまや誰にとっても、どの職場にとっても非常に身近なテーマとなっています。
しかし、いざ部下や同僚から診断書が提出された時、なじみのない病名に本人も周囲も戸惑い、不安になってしまうことは少なくありません。
1. 「うつ病」と「うつ状態」は違うもの?
休職の診断書で最もよく見かけるのが、「うつ病」と「うつ状態(抑うつ状態)」です。気分の落ち込みや意欲の低下、不眠といったこころの症状だけでなく、頭痛やひどい疲労感、胃腸症状など「からだの症状」として現れることも少なくありません。
「うつ病」は病気の名前であり、「うつ状態」は症状の状態を表す言葉です。
精神疾患は、1回の診察ですぐに確定診断を下すのが難しいケースも多く、初診の段階ではひとまず「うつ状態」として診断書を書き、休養と治療をスタートさせることがよくあります。 ここで職場側が知っておくべき最も重要なポイントは、「どちらの診断名であっても、会社がやるべき対応は全く変わらない」ということです。診断名の細かい違いに、必要以上に不安を感じる必要はありません。
2. 「適応障害」と「不安障害(パニック障害)」
うつ病以外にも、職場でよく見られる不調があります。
① 適応障害
特定の出来事や環境(異動、人間関係、業務内容の変化など)が強いストレスとなり、心身に症状が出る状態です。 うつ病との大きな違いは、「原因となるストレスがはっきりしていること」です。そのため、休職や配置転換などでストレスの原因から離れると、症状が比較的速やかに改善に向かいやすいという特徴があります。だからこそ、職場による環境の調整が治療の最大の鍵となります。
② 不安障害・パニック障害
「不安」を主な症状とする疾患の総称で、突然の強い動悸や息苦しさ、めまいに襲われる「パニック障害」もその一つです。 発作そのものは内科の検査で異常が出ないことも多いのですが、「また電車の中や会議中に発作が起きたらどうしよう」という予期不安(次の発作への恐怖)が強くなり、通勤や仕事など日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。抗不安薬などの服薬とカウンセリングを組み合わせることで、十分な回復が期待できる疾患です。
3. 診断名に振り回されない「職場の対応」の基本
厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」等でも示されている通り、病名が何であれ、職場における対応の基本スタンスは共通しています。
- 主治医の指示を尊重する: 職場の自己判断で無理をさせず、まずは主治医の指示(休業や制限)に沿って療養を見守る。
- 業務の負担を調整する: メンタル不調時は脳の疲労が激しいため、復帰後もしばらくは残業を禁止するなどの調整を行う。
- 専門家と連携する: 現場の管理職だけで抱え込まず、人事や産業医を交えて環境調整のプランを練る。
周囲の管理職や同僚に求められるのは、「うつ病なのか、適応障害なのか」と診断名を詮索することではありません。「今、この従業員が安全に働き続けるためには、どのような環境調整が必要か」を専門家と一緒に考え、実行していくことです。
早めの相談が、一番の近道
メンタルヘルス不調において最も確実な対策は、「早く気づいて、早く対処する(専門家に繋ぐ)」ことです。
「夜よく眠れない」「気分の落ち込みが抜けない」といった状態が2週間以上続くときは、決して一人で抱え込まず、早めに医療機関や自社の産業医、保健師にご相談ください。 病気や不調について正しく知ることは、ご自身の心身を守り、そして大切な職場の仲間を守るための第一歩となります。
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