職場に掲示・周知が義務のもの一覧|産業医の周知・衛生委員会の議事概要・喫煙専用室の標識など、記入して印刷できるひな形付き

職場に掲示・周知が義務のもの一覧|産業医の周知・衛生委員会の議事概要・喫煙専用室の標識など、記入して印刷できるひな形付き(うえまつ産業医事務所)
産業医の周知、衛生委員会の議事の概要、喫煙専用室の標識など、記入して印刷できます。

労働安全衛生法などには、会社が選んだ人や決めたことを「労働者に周知しなければならない」と定められているものがあります。産業医の業務の内容、衛生委員会の議事の概要、安全衛生推進者や作業主任者の氏名、熱中症の報告体制と対応手順、喫煙専用室の標識などです。多くは、作業場の見やすい場所への掲示、書面の配布、社内システムでいつでも見られるようにする、のいずれかの方法で周知します。

この記事では、京都で嘱託産業医をしている筆者が、人事・総務の方に向けて、掲示・周知が義務になっているものを一覧にまとめました。主なものは、その場で記入して印刷できるひな形を付けています。

4コマ漫画:掲示が必要なものに迷う総務担当に、めーくんが産業医のお知らせ、衛生委員会の議事の概要、喫煙室の20歳未満立入禁止の標識を挙げ、記入して印刷し、人が替わったら貼り替えるよう説明

1. 掲示・周知が義務のもの一覧(早見表)

掲示・周知するもの対象根拠ひな形
産業医の業務の内容・健康相談の申出方法・健康情報の取扱い産業医を選任した事業場(常時50人以上)安衛法第101条第2項、安衛則第98条の2ひな形へ
衛生委員会(安全衛生委員会)の議事の概要委員会を設けた事業場(常時50人以上)安衛則第23条第3項ひな形へ
熱中症の報告体制と対応手順暑い環境で一定時間以上の作業がある事業場(規模を問わない)安衛則第612条の2ひな形へ
安全衛生推進者・衛生推進者の氏名常時10人以上50人未満の事業場安衛則第12条の4ひな形へ
作業主任者の氏名と行わせる事項作業主任者の選任が必要な作業がある事業場安衛則第18条ひな形へ
喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室の標識喫煙室を設けた施設健康増進法ひな形へ
有機溶剤の掲示と、区分の色分け表示屋内作業場などで有機溶剤業務を行う事業場有機則第24条・第25条説明へ
小分け容器の名称と人体に及ぼす作用ラベル表示対象物を移し替えて保管する事業場安衛則第33条の2ツールへ
SDS(安全データシート)の内容通知対象物を取り扱う事業場安衛法第101条第4項説明へ
就業規則と労使協定(36協定など)すべての事業場労働基準法第106条説明へ
職場に掲示・周知が義務の主なもの

2. 周知の方法は3つ

1コマ漫画:掲示・備え付け、書面の交付、社内システムでいつでも確認の3つの周知方法を示すめーくんと、パソコンを使わない人には掲示が確実と話す総務担当

産業医の業務の内容や衛生委員会の議事の概要は、次のいずれかの方法で周知します(労働安全衛生規則第23条第3項各号、第98条の2)。

  1. 常時、各作業場の見やすい場所に掲示し、または備え付ける
  2. 書面を労働者に交付する
  3. 電子ファイルに記録し、各作業場に、労働者がその内容をいつでも確認できる機器を置く(社内ポータルなど)

安全衛生推進者・作業主任者の氏名は「作業場の見やすい箇所に掲示する等」により周知します。掲示がいちばん確実ですが、パソコンを使わない人や、ふだん社内ポータルを見ない人がいる職場では、掲示と書面を組み合わせると漏れがありません。

3. 産業医の業務の内容・健康相談の申出方法・健康情報の取扱い

産業医を選任した事業者は、次の3つを労働者に周知しなければなりません(労働安全衛生法第101条第2項、労働安全衛生規則第98条の2第2項)。2019年4月の改正で加わった義務で、産業医を選任した、あるいは変更したときは、この周知も更新が必要です。

  • 事業場における産業医の業務の具体的な内容
  • 産業医に対する健康相談の申出の方法
  • 産業医による労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの方法

下のひな形は、業務の内容のチェックを外すと、外した項目は印刷されません。健康情報の取扱いは、健康情報等の取扱規程と矛盾しないように書き換えてください。選任後に会社がやることは産業医を選任したら会社がやることでまとめています。

産業医のお知らせ

産業医に、健康のことを相談できます

事業場名
産業医
産業医の業務の内容
健康相談の申出の方法
健康情報の取扱い
周知した日

作成:うえまつ産業医事務所(mestate.jp)

入力した内容は、この画面の中だけで使います。どこにも送信・保存されません。

4. 衛生委員会の議事の概要

衛生委員会(安全衛生委員会)を開いたときは、開催のたびに、遅滞なく、議事の概要を労働者に周知します(労働安全衛生規則第23条第3項)。あわせて、委員会の意見とそれをふまえて講じた措置などの記録を3年間保存します(同条第4項)。周知するのは「概要」なので、議事録をそのまま掲示する必要はありません。個人が特定される健康情報は載せないようにします。

衛生委員会の決まりは衛生委員会とは、毎月の議題は衛生委員会の議題例・12か月の年間カレンダーで紹介しています。

衛生委員会 議事の概要

回・開催日時
出席者
議題と主な内容
委員会の意見と会社の対応
次回の予定
問い合わせ先

個人が特定される健康情報は記載しません。

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入力した内容は、この画面の中だけで使います。どこにも送信・保存されません。

5. 熱中症の報告体制と対応手順

WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業がある場合は、熱中症のおそれがある人を見つけたときの報告体制と、作業からの離脱・身体の冷却・医療機関への搬送などの対応手順をあらかじめ定め、作業者に周知しなければなりません(労働安全衛生規則第612条の2)。事業場の規模は問いません。

流れの詳しい解説は職場で熱中症が起きたときの対応、義務の内容は職場の熱中症対策の義務化をご覧ください。

熱中症が疑われるときは

作業をやめさせ、涼しい場所で冷やし、すぐに報告してください

対応の流れ

① 熱中症のおそれがある人を見つけた本人の申し出、周りの人の気づき(めまい・立ちくらみ、大量の汗、こむら返り、頭痛、吐き気、だるさ など)
② すぐに作業をやめさせ、涼しい場所へ移して体を冷やす決めておいた報告先(責任者)に連絡する
③ 意識がおかしくないか?呼びかけへの反応が鈍い、言動がおかしい、ぼーっとしている
おかしい→
すぐに救急車(119)到着まで冷やし続ける
おかしくない
④ 自分で水分・塩分をとれるか?
とれない→
医療機関へ搬送必要なら救急車
とれる
⑤ 水分・塩分をとって安静にし、様子を見る一人にしない
よくならない→
医療機関へ搬送
回復した
⑥ 回復:責任者に報告し、記録を残すあとで急に悪くなることがあるため、帰宅後も含めて連絡の方法を決めておく
事業場名
報告先(責任者)
責任者が不在のとき
救急車119(意識がおかしいときは迷わず)
救急車を呼ぶか迷うとき#7119(救急安心センター)
近くの医療機関
冷やす物・水分・塩分の場所
AEDの場所

医療機関へ運ぶ間や様子を見ている間は、一人にしないでください。

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6. 安全衛生推進者・衛生推進者の氏名

常時10人以上50人未満の事業場で安全衛生推進者または衛生推進者を選任したときは、その氏名を作業場の見やすい箇所に掲示するなどして、関係労働者に周知しなければなりません(労働安全衛生規則第12条の4)。選任の条件や資格は安全衛生推進者・衛生推進者とはで解説しています。

のお知らせ

職場の安全や健康について、気づいたことや困ったことはご相談ください

事業場名
氏名
連絡先
選任した日
主な役割

衛生推進者の場合は、衛生(健康)に関する業務を担当します。

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入力した内容は、この画面の中だけで使います。どこにも送信・保存されません。

7. 作業主任者の氏名と行わせる事項

有機溶剤作業や特定化学物質の作業、酸素欠乏危険作業、足場の組立てなど、作業主任者の選任が必要な作業では、作業主任者の氏名と、その人に行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示するなどして周知します(労働安全衛生規則第18条)。行わせる事項は作業ごとに規則で決まっているので、該当する規則を確認して記入してください。対象の作業は作業主任者とはにまとめています。

作業主任者

作業の種類
作業主任者
行わせる事項
選任した日
事業場名

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入力した内容は、この画面の中だけで使います。どこにも送信・保存されません。

8. 喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室の標識

事務所や工場などで喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室を設けるときは、健康増進法により、その部屋の出入口に、喫煙できる場所であることと20歳未満の人は立ち入れないことを示す標識を、施設の主たる出入口に喫煙室があることを示す標識を、それぞれ掲示しなければなりません。厚生労働省はピクトグラム(絵記号)の標識例を公表しているので、それを使うこともできます。

喫煙専用室では喫煙以外の飲食などはできず、加熱式たばこ専用喫煙室では加熱式たばこのみ吸えます。喫煙室の技術的な基準(入口の気流など)は職場の受動喫煙対策で解説しています。下のひな形は、標識の種類を選んで印刷できます。喫煙所に貼る健康へのひと言を加えることもできます。

標識の種類:

喫煙専用室

この部屋では、たばこを吸うこと以外
(飲食など)はできません

20歳未満の方は
立ち入れません

加熱式たばこ
専用喫煙室

この部屋で吸えるのは、加熱式たばこだけです

20歳未満の方は
立ち入れません

この施設には
喫煙専用室が
あります

喫煙専用室の場所:

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入力した内容は、この画面の中だけで使います。どこにも送信・保存されません。

9. そのほか、掲示・周知が必要なもの

  • 有機溶剤の掲示と区分の表示:屋内作業場などで有機溶剤業務を行うときは、有機溶剤による疾病の種類と症状、取扱い上の注意、中毒が起きたときの応急処置などを見やすい場所に掲示し(有機溶剤中毒予防規則第24条)、使う有機溶剤等の区分を、色分け(第一種は赤、第二種は黄、第三種は青)とそれ以外の方法で表示します(同第25条)。健診は有機溶剤健康診断をご覧ください。
  • 小分け容器の表示:ラベル表示対象物を別の容器に移して保管するときは、名称と人体に及ぼす作用を明示します(労働安全衛生規則第33条の2)。小分け容器のラベル表示(無料のラベル作成ツール)で、ラベルを無料で作れます。
  • SDS(安全データシート):通知対象物のSDSの内容は、掲示・備え付け、書面の交付などで労働者に周知します(労働安全衛生法第101条第4項、労働安全衛生規則第98条の2第3項)。化学物質の管理は化学物質の自律的管理で解説しています。
  • 就業規則と労使協定:就業規則や36協定などの労使協定は、常時各作業場の見やすい場所への掲示、備え付け、書面の交付などにより周知します(労働基準法第106条)。

10. 掲示物を作るときのポイント

  • 人が替わったら、すぐに貼り替える(古い名前のままの掲示は、労働基準監督署の調査でも指摘されやすい点です)
  • 作業場が複数ある場合は、それぞれの作業場に掲示する
  • 外国人の社員がいる職場では、やさしい日本語や母国語を併記する
  • 掲示した日と、次に見直す時期を決めておく(衛生委員会で年1回確認すると漏れません)

うえまつ産業医事務所にご相談ください

産業医の選任と、選任後に必要な周知・掲示の準備をまとめて支援しています。ひな形の記入方法もご相談ください。紹介会社の中間手数料がかからない直接契約と、ストレスチェックや健康管理のWeb化(DX)によって、料金をできるだけ抑えています。

  • 嘱託産業医:2か月に1回の訪問で月額30,000円、毎月訪問で月額50,000円(税別)
  • 従業員50人未満の顧問契約:月額20,000円(税別)/1回だけのスポット相談:20,000円(税別)
  • 毎月定額。職場巡視・衛生委員会への出席、臨時の相談・面談、交通費、意見書の作成、Webストレスチェック・健康管理Webに追加費用はかかりません
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事務所の概要は京都の産業医|うえまつ産業医事務所、料金とご契約の流れは報酬・ご契約の流れ、ご相談はお問い合わせから(翌営業日までに返信します)。

当事務所によくあるご相談
うえまつ産業医事務所には、企業さまから「社員が50人を超えたが、何から始めればよいか」というご相談がよく寄せられます。同じようなことでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

よくある質問

産業医の業務の内容は、掲示しないといけませんか?

掲示に限らず、常時各作業場の見やすい場所への掲示・備え付け、書面の交付、社内ポータルなどでいつでも確認できるようにする方法のいずれかで周知します(労働安全衛生規則第98条の2)。産業医を選任・変更したときは更新が必要です。

衛生委員会の議事録をそのまま掲示してもよいですか?

周知するのは議事の概要で足ります。個人が特定される健康情報は載せないようにしてください。委員会の意見と講じた措置などの記録は、別に3年間保存します(労働安全衛生規則第23条第3項・第4項)。

従業員50人未満でも、掲示が必要なものはありますか?

あります。常時10人以上なら安全衛生推進者・衛生推進者の氏名、暑い環境での作業があれば熱中症の報告体制と対応手順、作業主任者の選任が必要な作業があればその氏名と行わせる事項、喫煙室を設けていればその標識の掲示が必要です。

喫煙専用室の標識は自分で作ってもよいですか?

喫煙できる場所であることと、20歳未満の人は立ち入れないことがわかるように表示します。厚生労働省の標識例(ピクトグラム)を使うこともできます。施設の主たる出入口にも、喫煙室があることを示す標識が必要です。

参考:公的機関の資料

この記事の内容は、次の法令・公的機関の資料にもとづいています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

この記事を書いた人

上松 弘典(うえまつ ひろのり)
うえまつ産業医事務所 所長。産業医・労働衛生コンサルタント・総合内科専門医・博士(社会健康医学)・MPH。京都市中京区(四条烏丸)を拠点に、京都・大阪・滋賀・奈良の事業場で嘱託産業医として訪問しています。九州大学医学部卒業後、内科・呼吸器内科の臨床に従事し、東京大学大学院(MPH)、京都大学大学院(博士・社会健康医学)を修了。一般企業のほか病院・クリニックの産業医も務め、メンタル不調・休職・復職の対応、健康診断後の就業判定、製造業の特殊健康診断、ストレスチェックを中心に、企業の健康管理を支援しています。

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うえまつ産業医事務所 所長
上松 弘典
産業医・労働衛生コンサルタント
総合内科専門医
博士(社会健康医学)
産業医のプロフィール
うえまつ産業医事務所 所長・産業医 上松弘典
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