健康を守る食事のはなし
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皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。
多忙な毎日の中で、つい食事を手軽なものだけで済ませてしまい、栄養が偏りがちになっている方は多いのではないでしょうか。 今回は、健康管理の土台となる【食事の基本と、減塩ルール】についてお話しします。
1. 「運動しているから大丈夫」は本当か?
健康診断で体重を指摘された際、「週末に運動しているから、食事は気にしなくて大丈夫だろう」と考える方は少なくありません。しかし、運動によるカロリー消費量は、私たちが想像しているよりもずっと少ないのが現実です。
たとえば、体重60kgの人がテニスを30分間ハードに頑張ったとしても、消費されるのは「約180kcal」です。これは、仕事上がりの生ビール中ジョッキ1杯(約200kcal)で、あっという間に帳消しになってしまいます。 人間の体脂肪を1kg減らすには、約7,000kcalを消費(または摂取を制限)する必要があります。運動だけでこれを達成しようとするのは非常に過酷であり、「運動と食事は、どちらか一方ではなく両輪でコントロールする」ことが医学的な大原則となります。
2. 迷ったら「食事バランスガイド」のコマを思い出す
「何を」「どれだけ」食べればよいのか。その最も確実な指標となるのが、農林水産省と厚生労働省が策定している「食事バランスガイド」です。コマの形のイラストを見たことがある方も多いかもしれません。
コマの上から順番に、以下のバランスで組み合わせることが推奨されています。
- 主食(ごはん、パン、麺類などのエネルギー源)
- 副菜(野菜、きのこ、いも、海藻類などのビタミン・ミネラル源)
- 主菜(肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質源)
- 牛乳・乳製品(カルシウム源)
- 果物(ビタミンCやカリウム源)
忙しいと、おにぎりだけ、パスタだけといった「主食」に偏りがちです。コンビニで食事を選ぶ際も、このコマを思い出して「サラダやひじきの煮物(副菜)」と「ゆで卵やサラダチキン(主菜)」を1品ずつ足すだけで、栄養バランスは劇的に整います。 (※糖尿病や高血圧などで、すでに医師や管理栄養士から個別の食事指導を受けている方は、必ずそちらの指示を優先してください。)
3. 日本人の弱点。2025年版「減塩ルール」の厳しい現実
カロリーの過剰摂取と並んで、日本の食生活における最大の課題が「塩分のとりすぎ」です。塩分の過剰摂取は、血圧を上昇させ、脳卒中や心不全、さらには胃がんのリスクを大きく高めます。
2025年4月から適用されている最新の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日あたりの食塩相当量の目標量が以下のように厳しく設定されました。
- 男性:7.5g未満 / 女性:6.5g未満
- (※高血圧や慢性腎臓病の重症化予防を目的とする場合は、男女とも「6.0g未満」)
しかし、厚生労働省の調査(令和5年)によると、実際の日本人の平均摂取量は「男性10.7g、女性9.1g」となっており、目標値をはるかに上回っています。私たちは、自覚している以上に塩分まみれの食生活を送っているのです。
4. 今日からできる「減塩」の小さな工夫
この大きなギャップを埋めるためには、日常の小さな選択を変えるしかありません。
- ラーメンやうどんの「汁」は残す: ラーメン1杯のスープを飲み干すと、それだけで1日分の塩分(6〜7g)に達してしまうことも珍しくありません。汁を残すだけで、塩分摂取量を劇的に減らせます。
- 「出汁」や「酸味・香辛料」を活用する: 塩や醤油をドバドバかける代わりに、レモンや柚子の酸味、カレー粉や七味などの香辛料でアクセントをつけると、薄味でも十分に満足感が得られます。
- 「栄養成分表示」を見る癖をつける: お弁当や惣菜を買う際、裏面の「食塩相当量」を必ず確認し、少しでも数値の低いものを選ぶ習慣をつけましょう。
おわりに
健康的な生活習慣づくりは、つい「明日からでいいや」と後回しにしてしまいがちです。
しかし、皆さんの数年後、数十年後の健康とパフォーマンスを形作るのは、紛れもなく「今日の小さな選択の積み重ね」です。 今日のランチに副菜を1品足してみる。麺類の汁を半分残してみる。駅で階段を使ってみる。そんな「今すぐできること」を一つでも取り入れて、仕事もプライベートも健やかに楽しめる身体を作っていきましょう!
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