職場の安全と健康を守るコンサルタント

皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。

皆さんは「労働安全衛生コンサルタント」という職業をご存知でしょうか。「職場の安全と健康を守る、トップレベルの専門家」です。今回は、従業員の皆様が毎日安全に働き、無事に帰宅できる環境を陰ながら支えているこの専門職についてです。

1. 「労働安全衛生コンサルタント」は2つの国家資格の総称

「労働安全衛生コンサルタント」という一つの資格があるわけではなく、厚生労働省が認定する「労働安全コンサルタント」「労働衛生コンサルタント」という2つの国家資格(およびその有資格者)の総称として使われます。

専門とする分野によって、役割は以下の2つに分かれています。

① 労働安全コンサルタント(職場の「ケガ」を防ぐ専門家)

工場での機械の巻き込まれ事故や、建設現場での墜落・転落事故など、「労働災害(ケガ)」を防ぐための専門家です。 「この機械の可動部には安全カバーを設置しましょう」「この作業手順は死角が多く危険なため、このように改善しましょう」といったように、設備やルールの危険なポイントを洗い出し、安全な職場づくりを技術的に指導します。

② 労働衛生コンサルタント(職場の「病気」を防ぐ専門家)

有害な化学物質や粉じんによる健康被害、あるいは過重労働によるメンタルヘルス不調など、「働く人の病気(職業性疾病)」を防ぐための専門家です。 作業環境の測定・改善指導をはじめ、メンタルヘルス対策や健康管理体制の構築など、労働者の心身の健康を守るための医学的・衛生工学的な指導を行います。

2. なぜ「外部のコンサルタント」が必要なのか?

企業の中には、安全管理者や衛生管理者といった社内の担当者が選任されています。では、なぜわざわざ外部のコンサルタントに依頼する企業があるのでしょうか。それには、組織管理における2つの大きな理由があります。

① 社内では気づけない「危険への慣れ」を打破するため

毎日同じ職場で働いていると、「今まで事故が起きていないから、このくらいは大丈夫だろう」という危険への慣れ(ルールの形骸化)がどうしても生じてしまいます。 そこに外部の厳しいプロの目(第三者の視点)を入れることで、社内の人間が日常の風景として見落としていた重大なリスクに気づき、ハッザー(危険源)を未然に排除することができます。

② 高度な専門知識で「コンプライアンス」を徹底するため

労働安全衛生法をはじめとする安全や健康に関するルール(法律)は非常に複雑であり、化学物質の規制強化など、常にアップデートされています。 コンサルタントは最新の法令や労働衛生の技術を熟知しているため、企業が法改正に取り残されて法律違反(安全配慮義務違反)を犯さないよう、客観的かつ的確なアドバイスを提供してくれます。

よりよい職場環境へ

「労働安全衛生コンサルタント」は、表舞台に立つことは少ない存在かもしれません。

しかし、従業員の皆さんが毎日安全に業務に集中し、無事に家族の元へ帰ることができる背景には、企業と連携して「より安全で健康的な職場環境」を作ろうと奮闘している専門家たちの存在があります。

安全衛生は、企業活動の最も重要な土台です。自社の安全衛生体制に不安がある場合や、よりレベルの高い職場環境づくりを目指す場合には、ぜひこうした外部の専門家の知見を活用することも検討してみてください。