【ラインケア】抱え込まない工夫
Contents
皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。
今回は、現場のマネジメントや安全配慮において非常に重要なテーマである【ラインケア(管理職によるケア)】についてお話しします。
メンタルヘルスの不調により休職する従業員が出た際、現場の上司から「突然、診断書を持ってきて驚きました。全く気づきませんでした」という声を聞くことは少なくありません。
しかし、メンタルヘルスの不調は、ある日突然起きるわけではありません。心が限界を迎える前に、必ず「いつもと違う」という小さなSOSのサインを出しているものです。
1. 管理職は「診断」や「カウンセリング」をしなくてよい
部下の様子がおかしいと感じた時、現場の管理職が陥りがちなのが「うつ病かどうかを判断しようとする」「無理に悩みを聞き出し、カウンセリングをしようとする」ことです。
しかし、管理職の役割は医療職になることではありません。日々の業務の中で、「あれ?いつもと違うな」という客観的な事実(行動の変化)にいち早く気づき、声をかけること。そして必要に応じて、人事や産業医にスムーズに「繋ぐ」ことがラインケアの最大の目的です。
2. 現場で見逃してはいけない変化
心がSOSを出している時、それは必ず「行動」に現れます。
① 勤怠の変化
- 遅刻、早退、突発的な欠勤が増えた(特に月曜日や休み明け)
- 急な有給休暇の取得が増えた
- 逆に、不自然な残業や休日出勤がダラダラと増えている
② 業務遂行能力(パフォーマンス)の変化
- 今までやらなかったような単純なミスやケアレスミスが増えた
- 報告、連絡、相談(ホウレンソウ)が遅くなった、または無くなった
- 決断ができず、仕事のスピードが極端に落ちた
③ 態度や表情(身だしなみ)の変化
- 服装や髪型が乱れるようになった(身だしなみに構わなくなった)
- 挨拶をしなくなった、口数が極端に減った
- 少しのことで感情的になったり、ため息が増えたりする
3. 声をかける時は「客観的な事実」をベースに
もしこれらのサインに気づいた時、「最近、様子がおかしいけれど大丈夫?」と曖昧に聞くと、多くの人は防衛本能から「大丈夫です」と答えてしまいます。
声かけのコツは、「今週は2回遅刻しているけれど、何か仕事で困っていることはない?」「最近、今までになかったミスが続いているけれど、業務量で負担に感じていることはある?」といったように、客観的な事実をベースに声をかけることです。事実を伝えることで、本人も「自分の変化を見てくれている」と感じ、相談のハードルが下がります。
まずは相談を
現場の管理職の皆様は、ご自身のプレイング業務や数字の目標を抱えながら部下のケアも担っており、日々大変なプレッシャーの中にいらっしゃいます。
「部下の様子が少し変だけれど、どう声をかければいいか分からない」「自分のマネジメントが悪かったのだろうか」と管理職自身が一人で抱え込まないよう、「迷ったらいつでも人事や産業医に相談してください」というメッセージを、組織として日頃から伝えていくことが何よりも大切です。
