「湿度が高い」となぜ疲れる?

皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。

今回は、この時期に急増する特有の疲労感やむくみ、いわゆる「梅雨だる」についてお話しします。

「気温はそこまで高くないはずなのに、なぜかすごく疲れる」「体が重くてだるい」。 従業員の皆様からこうした声が聞かれるとき、その不調の根本的な原因は、梅雨特有の「高い湿度」に潜んでいます。

1. 汗が蒸発しないことによる「自律神経の疲労」

人間は、皮膚から汗が「蒸発」する際の気化熱を利用して、体温を適切に下げています。

しかし、梅雨の時期のように湿度が70〜80%を超える空間にいると、空気中に水分が飽和しているため、汗をかいても上手く蒸発してくれません。すると、体の中に熱がこもったままの状態になります。 脳は「もっと体温を下げなければ」と焦り、体温調節を司る自律神経(交感神経)に指令を出し続けます。しかし、一向に熱が下がらないため、自律神経がオーバーワークを起こして激しく疲弊してしまうのです。

また、汗として水分を外に排出できないと、体内に余分な水分が溜まり込みます。これが、医学的にも「水はけが悪い」状態であり、夕方のひどい足のむくみや、頭が締め付けられるような頭痛(気象病)を引き起こす大きな要因となります。

2. 体内の「水はけ」を良くする生活習慣

この「梅雨だる」を乗り切るためには、自律神経の負担を減らし、体内の水分代謝を促すことが重要です。

① 除湿機能をフル活用し、湿度を「50〜60%」に保つ

まずは環境面からのアプローチです。オフィスや自宅で「少し蒸し暑いな」と感じた際、冷房で設定温度を下げる前に「除湿(ドライ)機能」を活用してください。湿度が20%下がるだけでも体感温度はぐっと下がり、汗がスムーズに蒸発できるようになります。職場の空調管理においても、温度だけでなく「湿度コントロール」を意識することが、従業員のパフォーマンス維持に直結します。

② シャワーで済ませず「38〜40℃の湯船」に浸かる

体内の水はけを良くするには、汗腺をしっかりと開いて発汗を促すことが重要です。ジメジメしているからとシャワーだけで済ませず、少しぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かってみてください。血流が促進されることで、体内に滞っていた余分な水分や疲労物質が、尿や汗として排出されやすくなります。

③ 「カリウム」を含む食材で余分な水分を追い出す

食事面からのアプローチです。体内の余分な水分(ナトリウム)の排出を促してくれる「カリウム」を意識して摂取しましょう。バナナ、アボカド、ほうれん草、海藻類などに多く含まれています。ただし、冷たい飲み物の摂りすぎは胃腸の機能を低下させ、かえって水はけを悪くするため、温かいスープやお茶と一緒に摂るよう心がけてください。

梅雨をうまく乗り切るために

「なんとなく体が重い、だるい」という感覚は、高い湿度という過酷な環境の中で、自律神経が一生懸命に体温を調節しようと頑張ってくれている証拠です。

「今日は湿度が手強いな」と感じた日は、こまめにエアコンの除湿機能を活用し、夜はゆっくりお風呂で汗を流す。そんなご自身の身体を労わるセルフケアを、ぜひ今日から取り入れてみてください。

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