3つのポイントで守る歯と口
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皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。
前回は、歯周病などの「お口の不調」が、糖尿病や心疾患をはじめとする全身の重大な病気と深くつながっていることをお話ししました。 今回は、その大切なお口の健康を守るための「具体的なアプローチ」と、いま国や企業で大きく動き出している「歯科健診の最新制度」について整理します。
お口の健康を守るポイントは、【セルフケア】【プロケア】【定期健診】の3つの柱に分けられます。
1. セルフケア ── 毎日の自分の手入れと「食べ方」
まずは毎日のご自身でのケア(歯みがき)ですが、ただ磨けばよいというわけではありません。以下の3つのコツを意識してください。
- フッ化物(フッ素)を活用する: フッ化物配合の歯みがき剤やジェルを使うことは、むし歯予防に極めて有効です。近年は高濃度のフッ素が配合された製品も身近になっています。
- 「フロス」や「歯間ブラシ」を併用する: 歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは絶対に落としきれません。デンタルフロスなどの補助用具を使う習慣をつけましょう。
- 「だらだら食べ」を防ぐ: むし歯は、細菌が糖から酸を作り、歯を溶かすことで進行します。お菓子や甘いジュースを「だらだら」と頻繁に摂っていると、口の中が酸性になる時間が長くなり、むし歯リスクが跳ね上がります。間食の回数や時間を決める(控える)ことも、立派な予防ケアなのです。
2. プロケアと定期健診 ── 専門家の力で「初期消火」する
どれほど丁寧にセルフケアを行っていても、歯みがきだけでむし歯や歯周病を100%防ぐのは困難です。そこで必要になるのが残りの2つの柱です。
- プロケア: 歯科医師や歯科衛生士による専門的なケアです。歯石は一度ついてしまうと自分では落とせません。専門の器具で歯石や歯垢(プラーク)を徹底的に除去してもらうことで、予防効果がぐっと高まります。
- 定期健診: 悪くなる前に見つける「早期発見・早期治療」の場です。目安として、少なくとも「年2回」の歯科健診が勧められています。
厚生労働省の調査では、過去1年間に歯科健診を受けた人はまだ6割程度にとどまっています。歯周病が「痛みなどの自覚症状が出にくい」病気であることを考えると、「今はどこも痛くないから行かない」という人ほど、実は健診を受ける価値が最も大きいと言えます。
3. 2026年に大きく動いた「国民皆歯科健診」
この「歯科健診」の重要性に着目し、国も本腰を入れて制度を動かし始めています。すべての国民が生涯にわたり健診を受けられる「国民皆歯科健診」の実現に向けた動きです。
皆様に特に知っておいていただきたいのが、以下の2つの最新動向です。
- 職場の健診に「歯周病検査」を導入する支援がスタート: 2026年度より、厚生労働省は職場の健康診断において「唾液を用いた歯周病の簡易スクリーニング検査」を実施する企業への支援を開始しました。
- 翌年度(令和9年度)からの「簡易歯科健診」の制度化: 2026年7月、厚生労働省は新たな計画を公表し、翌年度から自治体や医療保険者の双方において「簡易歯科健診」を制度として位置づけ、財政支援を行っていく方針を打ち出しました。
国の「健康日本21(第三次)」では、令和14年度までに歯科健診の受診率を「95%」に引き上げるという高い目標が掲げられています。近い将来、企業の定期健康診断に何らかの形で「歯科」が本格的に組み込まれる時代がすぐそこまで来ています。
おわりに
「セルフケア」「プロケア」「定期健診」。この3つのポイントは、どれか一つだけでは不十分であり、組み合わせてこそ最大の力を発揮します。
従業員のお口の健康をサポートすることは、全身の病気を防ぎ、仕事のパフォーマンスを維持する「健康経営」の一環です。 「そういえば、もう何年も歯医者に行っていないな」。そう思われた方は、まずはご自身の健康のために、歯科健診の予約の電話をかける一歩を踏み出してみませんか。
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