安全委員会とは|設置が必要な業種と規模(50人・100人)、委員の構成、審議事項、安全衛生委員会にまとめるときの注意点を産業医が解説

「うちの会社は衛生委員会だけでいいの?安全委員会も必要?」「安全衛生委員会にまとめてもいい?」。製造業や建設業、運送業の会社の方からいただく質問です。この記事では、京都で嘱託産業医をしている筆者が、安全委員会の設置が必要な業種と規模、委員の構成、調査審議する事項、安全衛生委員会にまとめる場合の注意点を、条文にもとづいて解説します。
結論:一定の業種で50人以上(または100人以上)なら安全委員会も必要。衛生委員会とまとめて安全衛生委員会にできる
- 林業、鉱業、建設業、製造業の一部、道路貨物運送業などは常時50人以上、それ以外の製造業や小売業の一部などは常時100人以上で、安全委員会が必要です(労働安全衛生法施行令第8条)。
- 衛生委員会は、業種を問わず常時50人以上の事業場で必要です。
- 両方が必要な事業場は、安全衛生委員会としてまとめて設置できます(労働安全衛生法第19条)。
- 委員会は毎月1回以上開催し、議事の概要を労働者に周知し、重要な議事の記録を3年間保存します(労働安全衛生規則第23条)。

安全委員会が必要な業種と規模
| 業種 | 規模 |
|---|---|
| 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業・港湾運送業、自動車整備業、機械修理業、清掃業 | 常時50人以上 |
| 上記以外の運送業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 | 常時100人以上 |
金融業や医療・福祉など、上の表にない業種は安全委員会の対象ではなく、衛生委員会のみが必要です。衛生委員会の詳細は衛生委員会とはをご覧ください。
委員の構成

| 委員会 | 委員 |
|---|---|
| 安全委員会 | ①総括安全衛生管理者または事業の実施を統括管理する者など(議長・1人)、②安全管理者、③安全に関し経験を有する労働者 |
| 衛生委員会 | ①同上(議長・1人)、②衛生管理者、③産業医、④衛生に関し経験を有する労働者 |
| 安全衛生委員会 | ①同上(議長・1人)、②安全管理者・衛生管理者、③産業医、④安全に関し経験を有する労働者、⑤衛生に関し経験を有する労働者 |
議長以外の委員の半数は、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数代表者)の推薦にもとづいて指名します。安全委員会が必要な業種では、安全管理者の選任も必要です(常時50人以上。同法施行令第3条)。
安全委員会で調査審議する事項
- 労働者の危険を防止するための基本となる対策
- 労働災害の原因と再発防止対策で、安全に関するもの
- 安全に関する規程の作成
- リスクアセスメントとその結果にもとづく措置(安全に関するもの)
- 安全衛生計画(安全に関する部分)の作成・実施・評価・改善
- 安全教育の実施計画の作成(特別教育など)
- 労働基準監督署などから文書で受けた命令・指導のうち、危険の防止に関すること
労災が起きたときは、労働者死傷病報告とあわせて、委員会で原因と再発防止策を話し合います(労働者死傷病報告の出し方)。
安全衛生委員会にまとめるときの注意点
- 議題が「安全」に偏り、健康の話が後回しにならないよう、毎月の固定議題に衛生の項目(長時間労働の状況、健康診断の実施状況、ストレスチェックなど)を入れる(衛生委員会の議題例)
- 産業医が出席できない月は、事前に資料を共有して意見をもらう
- 職場巡視の結果を、安全と衛生の両面から報告する(産業医の職場巡視)
- 議事録には「委員会の意見」と「それを踏まえて講じた措置」を残す
うえまつ産業医事務所にご相談ください
うえまつ産業医事務所では、衛生委員会・安全衛生委員会への出席、年間の議題づくり、職場巡視の結果の報告、労災の再発防止策の審議への助言を、毎月定額の範囲で行います。
- 嘱託産業医:2か月に1回の訪問で月額30,000円、毎月訪問で月額50,000円(税別)
- 従業員50人未満の顧問契約:月額20,000円(税別)/1回だけのスポット相談:20,000円(税別)
- 毎月定額。職場巡視・衛生委員会への出席、臨時の相談・面談、交通費、意見書の作成、Webストレスチェック・健康管理Webに追加費用はかかりません
- 紹介会社を通さず、労働衛生コンサルタント・総合内科専門医の上松が継続して担当します(京都・大阪・滋賀・奈良へ訪問、全国Web面談)
事務所の概要は京都の産業医|うえまつ産業医事務所、料金とご契約の流れは報酬・ご契約の流れ、ご相談はお問い合わせから(翌営業日までに返信します)。
よくある質問
安全委員会はどんな会社に必要ですか?
林業、鉱業、建設業、製造業の一部(化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業など)、道路貨物運送業などは常時50人以上、それ以外の製造業や一部の卸売・小売業、旅館業などは常時100人以上の事業場で必要です(労働安全衛生法施行令第8条)。
安全委員会と衛生委員会はまとめられますか?
両方を設けなければならない事業場は、それぞれに代えて安全衛生委員会を設置できます(労働安全衛生法第19条)。
安全委員会の開催頻度は?
毎月1回以上開催します。開催の都度、議事の概要を労働者に周知し、重要な議事の記録を3年間保存します(労働安全衛生規則第23条)。
安全委員会に産業医は必要ですか?
安全委員会の委員に産業医は含まれません。衛生委員会と安全衛生委員会では、産業医が委員になります。
まとめ
一定の業種では、常時50人以上(業種によっては100人以上)で安全委員会が必要です。衛生委員会とまとめて安全衛生委員会にでき、毎月1回以上開催します。安全と衛生の両方の議題がバランスよく話し合われるよう、年間の議題を決めておきましょう。
参考:公的機関の資料
この記事の内容は、次の法令・公的機関の資料にもとづいています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。
この記事を書いた人
上松 弘典(うえまつ ひろのり)
うえまつ産業医事務所 所長。産業医・労働衛生コンサルタント・総合内科専門医・博士(社会健康医学)・MPH。京都市中京区(四条烏丸)を拠点に、京都・大阪・滋賀・奈良の事業場で嘱託産業医として訪問しています。九州大学医学部卒業後、内科・呼吸器内科の臨床に従事し、東京大学大学院(MPH)、京都大学大学院(博士・社会健康医学)を修了。一般企業のほか病院・クリニックの産業医も務め、メンタル不調・休職・復職の対応、健康診断後の就業判定、製造業の特殊健康診断、ストレスチェックを中心に、企業の健康管理を支援しています。
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