【ストレスチェック制度】いま見直したいポイント

皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。

ストレスチェック制度は2015年12月にスタートし、10年以上が経過しました。これまで従業員50人以上の事業場に義務づけられ、50人未満は努力義務とされてきましたが、2025年5月の法改正により、2028年4月1日から、規模にかかわらず全ての事業場で義務化 されることが決まりました。あらためて制度の目的と、企業が取り組むべきポイントを整理します。

そもそも何のための制度?

ストレスチェックの目的は、労働者が自分のストレスに気づき、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ 「一次予防」 です。不調が起きてから対応するのではなく、「なる前に防ぐ」ための仕組みだという点が大切です。事業者は年1回の実施が必須で、調査票には「①仕事のストレス要因」「②心身のストレス反応」「③周囲のサポート」の3領域を含める必要があります。厚労省の標準は「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」です。

実施の基本的な流れ

  1. 衛生委員会で審議し、社内ルールを策定・周知(目的、実施体制、情報の取り扱い、結果の保存方法など)
  2. ストレスチェックの実施(実施者は医師・保健師等。人事権を持つ人は担当不可)
  3. 本人へ結果を通知
  4. 高ストレス者からの申し出に応じて医師面接、必要に応じ就業上の措置
  5. 集団分析を行い、職場環境の改善につなげる

見落とされがちな2つの活用ポイント

① 高ストレス者を「放置しない」 高ストレス者のなかには、「会社に知られたくない」という理由で医師面接を申し出ない方もいます。不利益な取り扱いがないこと・個人情報が守られることを丁寧に伝え、面接以外の相談窓口(産業保健スタッフや外部EAPなど)も案内して、支援から取りこぼさない工夫が重要です。

② 集団分析を「職場改善」に生かす 個人の結果だけで終わらせず、部署ごとに集計する集団分析が制度のポイントです。「仕事の量」「仕事のコントロール(裁量)」「上司・同僚の支援」といった観点から職場の課題が見え、改善のヒントになります。なお、集団分析は現在は努力義務ですが、法改正の動きのなかで一層の推進が求められています。分析の単位が10人を下回ると個人が特定されるおそれがあるため、取り扱いには配慮が必要です。

企業が取り組むべきこと

  • 実施を「目的化」しない:受検して終わりではなく、集団分析→職場環境改善のPDCAを回す
  • 受検率を高める工夫:定期健康診断と同日に実施するなど、従業員の負担を減らす
  • 管理職の巻き込み:集団分析は「管理職を責めるもの」ではなく「職場と会社を良くするもの」というメッセージを繰り返し発信する
  • 改善を具体的な行動目標に:グループ討議で終えず、数か月単位の目標を立ててモニタリングする
  • 小規模事業場は今から準備を:産業医・保健師や外部機関との連携、実施体制の整備を早めに

より良い職場環境へ

ストレスチェックは、単なる年1回の形式的な調査ではなく、一人ひとりが安心して働ける環境を整えるための大切な仕組みです。生産性の向上や離職防止、組織の活性化にもつながります。
2028年の全面義務化を見据え、自社の運用を検討してみませんか。

当事務所では、産業医が作ったストレスチェックシステムを導入しています。産業医自身が「実施者」としてストレスチェックを実施しています。
ストレスチェックの導入・実施について、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。

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