ストレスと上手につきあう
皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。
日々の仕事や生活の中で、誰もが多かれ少なかれストレスを感じているはずです。適度なストレスは成長のスパイスにもなりますが、それが度を超えて心やからだが「適応しきれなくなった」ときが問題です。
過剰なストレスにいち早く気づき、自分に合った対処法(コーピング)を複数持っておくこと。今回は、この「ストレスの逃がし方」と、職場でできるサポートについてお話しします。
1. ストレスの「逃がし方」は、質より「量」
ストレスへの対処法(コーピング)は、「週末の海外旅行」のような大きなものを1つだけ持つよりも、日常の中でこまめにできる小さな引き出しを「質より量」でたくさん持っておく方が圧倒的に効果的です。
① からだをほぐす ストレッチングは器具も場所もいらず、手軽で強力なストレス対策です。はずみをつけず、呼吸を止めずに「10〜30秒」ゆっくりと伸ばすのがコツです。仕事の合間に肩の上げ下げや首回しを入れるだけでも、筋肉の緊張がほぐれ、次の作業への集中力が高まります。
② 緊張を細切れにする 1日中気を張っていると感じたら、トイレに立ったついでに深呼吸をする、少しだけ歩き回るなど、こまめに「気分転換の切れ目」を入れましょう。
③ 環境を整える 机や椅子を自分好みの使いやすい設定に調整する、休憩時間に好きな音楽を聴く、お気に入りの飲み物をいれるなど、自分が「ホッとする空間や時間」を意識的につくります。
④ 趣味や運動でリフレッシュする 仕事と関係のない趣味を持つ、自然に触れる、思いっきり笑うことは心身のリフレッシュに直結します。運動する場合は、勝ち負けや技術を競う激しいスポーツよりも、ご自身が純粋に「楽しめる」と感じる程度の適度な運動がおすすめです。
2. 要注意!「お酒とたばこ」
一方で、ストレス解消法として絶対におすすめできないのが「お酒」と「たばこ」に頼ることです。
「飲むと嫌なことを忘れられる」「たばこを吸うと落ち着く」というのは、脳の働きが麻痺したり、ニコチン切れの離脱症状が一時的に解消されたりしているだけの「錯覚」です。 ストレスから逃れるためにこれらに頼ると、徐々に量が増え、アルコール依存やニコチン依存に繋がる危険性があります。結果的に睡眠の質を下げ、心身の健康を深く損なってしまうため、コーピング(ストレス対処)の手段としては別の方法を選びましょう。
3. 一人で抱えない「声かけ・きく・つなぐ」の力
ご自身でのセルフケアと同じくらい、あるいはそれ以上に強力なストレス対策となるのが「周囲のサポート」です。
労働安全衛生の分野でよく知られる「職業性ストレスモデル」でも、上司や同僚、家族からのサポートがある人ほど、ストレス反応(心身の不調)が軽減されることが医学的に示されています。 不安やモヤモヤは、親しい人に話す(放す)だけでずいぶん軽くなります。言葉にして外に出すことで、頭の中の悩みが整理され、自分で解決の糸口が見えることも多いのです。
職場においては、日頃からの「あいさつ」や「雑談」がこのサポートの土台になります。 誰かの様子がいつもと違う、気になると感じたら、まずは耳を傾けて「3分だけ話を聴く」。そして、無理にアドバイスや解決をしようとせず、必要なときには産業医や社内の相談窓口へ「つなぐ」。 この【声かけ・きく・つなぐ】を意識するだけで、誰もが安心して支え合える職場に近づきます。
おわりに
「セルフケア」はとても大切ですが、決して万能ではありません。 自分でいくら対処しても追いつかない、抱えきれないと感じたら、それは心からの「SOSのサイン」です。
「こころの耳(厚生労働省の電話相談)」や外部のEAP(従業員支援プログラム)、そして自社の産業医や保健師など、窓口はいくつも用意されています。 「これくらいで相談していいのだろうか」と一人で抱え込まず、早めに、ためらわずに声をあげてください。
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