CO2と温度が生産性に直結する理由

皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。

今回は、オフィスの【温度・換気・CO2(二酸化炭素)濃度】についてお話しします。 「オフィスが暑い、寒い」「会議室が息苦しい」。こうしたオフィスの空気環境は、単なる快適さの問題にとどまらず、従業員の皆様のパフォーマンス(生産性)をダイレクトに左右する重要な経営課題でもあります。

1. その眠気や集中力低下、「CO2」が原因かもしれません

人が集まってドアを閉め切った会議室で、だんだん頭がぼーっとしてきたり、あくびが止まらなくなったりした経験はないでしょうか。それは疲労や寝不足だけでなく、「CO2(二酸化炭素)濃度の急上昇」が原因である可能性が高いです。

労働安全衛生法に基づく「事務所衛生基準規則」では、室内のCO2濃度を「1,000ppm以下」に保つことが基準として定められています。 ハーバード大学などの研究でも、CO2濃度が1,000ppmを超えると、人々の認知機能(思考力や意思決定力)が著しく低下することが科学的に証明されています。

つまり、「空気が悪い(換気が不十分な)オフィスや会議室」で働かせることは、従業員の脳のパフォーマンスにブレーキをかけながら仕事をさせているのと同じ状態なのです。

2. 職場で今日からできる「空気のマネジメント」

大掛かりな空調設備の改修工事を行わなくても、少しの工夫で「空気が良くて集中できるオフィス」を作ることは可能です。

① 会議室に「CO2モニター」を設置して見える化する

まずは「見えない空気」を可視化しましょう。数千円で購入できる卓上のCO2モニター(二酸化炭素濃度計)を、人が密集しやすい会議室に設置してみてください。数字が基準値(1,000ppm)を超えて赤色で警告されたら換気をする、という明確な目安ができるため、現場の従業員も自主的に行動しやすくなります。

② 「1時間に5分」の換気ルールを作る

会議が白熱すると、つい換気を忘れて空気がよどんでしまいます。「会議は55分で終了し、残りの5分間でドアと窓を開けて空気を入れ替える」というルールを社内に発信してみてください。空気がリフレッシュされて脳の疲労が防げるだけでなく、会議の延長を防ぐ(タイムマネジメントの)効果も期待できます。

③ サーキュレーターで「温度ムラ」をなくす

「冷房の風が直撃して寒すぎる席」と「空気がよどんで暑い席」が混在している状態も、集中力を大きく削ぐ原因となります。室温の設定を極端に上げ下げする前に、サーキュレーターを回してオフィス内の空気を攪拌(かくはん)してみてください。エアコンの風よけ(ルーバー)の設置と組み合わせるだけでも、従業員の快適度と業務への集中力は劇的に向上します。

おわりに

適切な温度と綺麗な空気は、全従業員が持てる能力を100%発揮し、健康に働き続けるための最も重要な基盤となります。

目に見えない環境要因が、私たちの心身に与える影響は想像以上に大きいものです。従業員の皆さんがイキイキと働けるよう、ぜひ今日から、自社の会議室の換気状況やオフィスの温度設定を見直してみてください。