【働く女性の健康①】ライフステージで変わる健康課題
皆さん、こんにちは。うえまつ産業医事務所です。
働く女性は年々増え、職場に欠かせない存在となっています。一方で女性は、女性ホルモン(エストロゲンなど)の分泌量の変化に大きく影響を受けながら、ライフステージごとに特有の健康課題を経験します。これらは日常生活だけでなく、仕事のパフォーマンスにも影響することが少なくありません。まずは「どんな課題があるのか」を知ることが、対策の第一歩です。
ライフステージごとの主な健康課題
思春期〜性成熟期(10〜40代) 月経に関する不調が中心になります。強い下腹部痛や頭痛を伴う 月経困難症、月経前のイライラや落ち込み・むくみなどの 月経前症候群(PMS)、なかでも精神症状が強い 月経前不快気分障害(PMDD) もあります。月経に伴う不調は、働く女性の約7〜8割が経験するといわれます。また、子宮内膜症・子宮筋腫 は20〜40代に多く、月経痛の悪化や不妊の原因になることもあります。貧血に悩む方も少なくありません。
妊娠・出産期 つわり(重症化した妊娠悪阻)、貧血、切迫早産など。妊娠・出産と仕事の両立が大きな課題になります。
更年期(40代後半〜50代) 閉経前後の10年間はホルモンが大きく揺らぎ、ほてり・発汗(ホットフラッシュ)、動悸、気分の落ち込み、不眠、疲労感など、心身にさまざまな症状(更年期症状・更年期障害)が現れることがあります。
老年期 エストロゲンの減少により 骨粗しょう症 や生活習慣病、脂質異常症のリスクが高まります。
このほか、甲状腺の病気やうつ、子宮頸がん・乳がんなど、女性に多い・女性特有の疾患にも注意が必要です。
「隠れた生産性の低下」に注意
体調不良を抱えたまま出勤し、本来のパフォーマンスを発揮できない状態を「プレゼンティーズム」と呼びます。経済産業省は、女性特有の健康課題による経済損失を年間約3.4兆円 と試算しています。これは本人だけの問題ではなく、組織全体で向き合うべき課題だといえます。
まずはセルフケアとヘルスリテラシー
つらい症状は、我慢せずに対処することが大切です。月経困難症やPMSには低用量ピル、更年期症状にはホルモン補充療法(HRT)や漢方など、医療で改善できる選択肢が数多くあります。「これくらい普通」と思い込まず、生活に支障があるなら婦人科を受診しましょう。婦人科は「困ったときに気軽に相談できる場所」ととらえ、かかりつけを持っておくと安心です。
あわせて、子宮頸がん検診・乳がん検診 を定期的に受けることも、健康を守る大切な習慣です。正しい知識(ヘルスリテラシー)を身につけることが、心とからだを守る土台になります。
社会全体で支える時代へ
なお、2026年4月の女性活躍推進法の改正では、生理・更年期・不妊治療といった健康課題への配慮が、法律の基本原則に明記 されました。女性の健康は、本人任せにせず社会全体で支える時代に入っています。次回は、会社としてできる具体的な取り組みをご紹介します。
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