給食従業員の検便とは|社員食堂の調理員は雇入れ時・配置替え時に義務、記録5年保存、大量調理施設の月1回の検便を産業医が解説

給食従業員の検便とは|社員食堂の調理員は雇入れ時・配置替え時に義務、記録5年保存、大量調理施設の月1回の検便を産業医が解説(うえまつ産業医事務所)
社員食堂などの給食の業務に就く人には、雇入れ時と配置替え時に検便を行います。

「社員食堂の調理員を採用するが、検便は必要?」「検便は毎月やらないといけない?」「調理の仕事に配置替えした人は?」。社員食堂のある会社や、病院・介護施設の総務担当の方からいただく質問です。この記事では、京都で嘱託産業医をしている筆者が、労働安全衛生規則第47条の給食従業員の検便について、対象となる人、実施する時期、記録の保存、大量調理施設衛生管理マニュアルの毎月の検便との違いを解説します。

4コマ漫画:新しい調理員を迎える総務担当に、めーくんが「雇入れ時と配置替え時には、検便が必要です」と説明。お腹の調子が悪い朝は調理の仕事を休むこと、検便の結果も健康診断個人票に記録して5年間保存することを伝える。

結論:給食の業務に就く人には、雇入れ時と配置替え時に検便を行う

  • 事業に附属する食堂や炊事場で給食の業務に従事する労働者には、雇入れの際とその業務への配置替えの際に、検便による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第47条)。
  • 結果は健康診断個人票に記録し、5年間保存します(同規則第51条)。
  • 労働安全衛生規則で義務づけられているのは雇入れ時と配置替え時です。一方、同一メニューを1回300食以上または1日750食以上提供する施設では、食品衛生の面から大量調理施設衛生管理マニュアルで月1回以上の検便が求められています。
  • 下痢・嘔吐・発熱などの症状がある人は、調理作業に従事させないことが大切です。

対象となる人と時期

項目内容
対象事業に附属する食堂または炊事場で、給食の業務に従事する労働者(社員食堂や寮の食堂など)
時期雇入れの際、給食の業務への配置替えの際
方法検便による健康診断
記録健康診断個人票を作成し、5年間保存(労働安全衛生規則第51条)
給食従業員の検便(労働安全衛生規則第47条)

検便は、雇入れ時の健康診断(雇入れ時健康診断とは)とは別に行う健康診断です。調理員として採用する人、事務職から食堂の担当に異動する人のどちらも対象になるので、採用や異動の手続きに組み込んでおきましょう。

大量調理施設衛生管理マニュアルの検便

1コマ漫画:ホワイトボードに「労働安全衛生規則→雇入れ時・配置替え時」「大量調理施設→月1回以上(1回300食以上または1日750食以上)」。総務課長の「うちの食堂も毎月必要なのかな」に、めーくんが「提供する食数で変わります」と答える。

同一メニューを1回300食以上または1日750食以上提供する調理施設には、厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルが適用されます。このマニュアルでは、調理従事者等は月に1回以上の検便を受け、検便検査には腸管出血性大腸菌の検査を含めること、必要に応じて10月から3月にはノロウイルスの検査を含めることとされています。

マニュアルが直接適用されない小規模な施設でも、自治体の指導や給食の委託契約で定期的な検便を求められることがあります。社員食堂を外部に委託している場合は、委託先が検便を行っているかを契約で確認しておきましょう。

症状がある人への対応

大量調理施設衛生管理マニュアルでは、下痢、嘔吐、発熱などの症状があるとき、手指などに化膿創があるときは調理作業に従事しないこととされています。症状がある場合は医療機関を受診し、ノロウイルスと診断された場合は、高感度の検便で陰性が確認されるまで食品に直接触れる作業を控えることが望ましいとされています。

調理員が症状を申し出やすいよう、休んだ日の扱いや代わりの人員をあらかじめ決めておくことが、食中毒の予防につながります。感染症などで休ませるときの判断は病者の就業禁止と、体調不良の社員を休ませるときの判断で解説しています。

産業医が関わること

  • 雇入れ時・配置替え時の検便が漏れていないか、健康診断の実施状況とあわせて確認する
  • 下痢や発熱のある調理員の就業の可否について、会社に助言する
  • 職場巡視で、厨房の手洗い設備や調理員の健康状態の確認方法を確認する(産業医の職場巡視)

うえまつ産業医事務所にご相談ください

うえまつ産業医事務所では、社員食堂や厨房のある事業場の健康診断の実施状況の確認、体調不良の調理員の就業についての助言、職場巡視での衛生状態の確認を、毎月定額の範囲で行います。

  • 嘱託産業医:2か月に1回の訪問で月額30,000円、毎月訪問で月額50,000円(税別)
  • 従業員50人未満の顧問契約:月額20,000円(税別)/1回だけのスポット相談:20,000円(税別)
  • 毎月定額。職場巡視・衛生委員会への出席、臨時の相談・面談、交通費、意見書の作成、Webストレスチェック・健康管理Webに追加費用はかかりません
  • 紹介会社を通さず、労働衛生コンサルタント・総合内科専門医の上松が継続して担当します(京都・大阪・滋賀・奈良へ訪問、全国Web面談)

事務所の概要は京都の産業医|うえまつ産業医事務所、料金とご契約の流れは報酬・ご契約の流れ、ご相談はお問い合わせから(翌営業日までに返信します)。

よくある質問

給食従業員の検便は法律上の義務ですか?

事業に附属する食堂や炊事場で給食の業務に従事する労働者には、雇入れの際と配置替えの際に検便による健康診断を行うことが義務です(労働安全衛生規則第47条)。

検便は毎月しなければいけませんか?

労働安全衛生規則で義務づけられているのは雇入れ時と配置替え時です。同一メニューを1回300食以上または1日750食以上提供する施設では、大量調理施設衛生管理マニュアルにより月1回以上の検便が求められています。

検便の結果は何年保存しますか?

健康診断個人票に記録し、5年間保存します(労働安全衛生規則第51条)。

調理員が下痢をしているときは働かせてもいいですか?

大量調理施設衛生管理マニュアルでは、下痢、嘔吐、発熱などの症状があるときは調理作業に従事しないこととされています。医療機関を受診してもらい、食品に触れない業務に変えるか休ませましょう。

まとめ

社員食堂や厨房で給食の業務に就く人には、雇入れ時と配置替え時に検便を行い、結果を5年間保存します。大量調理施設では月1回以上の検便も求められます。症状のある調理員を調理作業に就かせない仕組みとあわせて、食中毒を防ぎましょう。

参考:公的機関の資料

この記事の内容は、次の法令・公的機関の資料にもとづいています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

この記事を書いた人

上松 弘典(うえまつ ひろのり)
うえまつ産業医事務所 所長。産業医・労働衛生コンサルタント・総合内科専門医・博士(社会健康医学)・MPH。京都市中京区(四条烏丸)を拠点に、京都・大阪・滋賀・奈良の事業場で嘱託産業医として訪問しています。九州大学医学部卒業後、内科・呼吸器内科の臨床に従事し、東京大学大学院(MPH)、京都大学大学院(博士・社会健康医学)を修了。一般企業のほか病院・クリニックの産業医も務め、メンタル不調・休職・復職の対応、健康診断後の就業判定、製造業の特殊健康診断、ストレスチェックを中心に、企業の健康管理を支援しています。

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上松 弘典
産業医・労働衛生コンサルタント
総合内科専門医
博士(社会健康医学)
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