年少者(18歳未満)の就業制限とは|深夜業・残業の禁止、危険有害業務、重量物の上限、年齢証明書を産業医が解説

年少者(18歳未満)の就業制限とは|深夜業・残業の禁止、危険有害業務、重量物の上限、年齢証明書を産業医が解説(うえまつ産業医事務所)
18歳未満は、時間外・休日労働、深夜業、危険有害業務、一定以上の重量物の取扱いが原則禁止です。

「高校生のアルバイトを夜10時以降も働かせていい?」「17歳の社員に残業をお願いできる?」「年少者に重い荷物を持たせてもいい?」。飲食・小売・物流・製造業の方からいただく質問です。この記事では、京都で嘱託産業医をしている筆者が、労働基準法と年少者労働基準規則にもとづく18歳未満の就業制限(最低年齢、年齢証明書、労働時間・時間外労働、深夜業、危険有害業務、重量物)を解説します。

結論:18歳未満は、残業・休日労働・深夜業と危険有害業務が原則禁止

  • 中学校を卒業するまで(満15歳に達した日以後の最初の3月31日まで)は、原則として使用できません(労働基準法第56条)。
  • 18歳未満の人については、年齢を証明する戸籍証明書(住民票記載事項証明書など)を事業場に備え付けます(同法第57条)。
  • 時間外労働・休日労働(36協定)、変形労働時間制、フレックスタイム制は原則として適用できません(同法第60条)。
  • 午後10時から午前5時までの深夜業は禁止です。交替制で働く満16歳以上の男性などの例外があります(同法第61条)。
  • クレーンの運転、有害物を扱う業務など40を超える危険有害業務と、一定以上の重量物の取扱いには就かせられません(同法第62条、年少者労働基準規則第7条・第8条)。
18歳未満のアルバイトのシフトをめぐる4コマ漫画:夜10時以降・残業・重い荷物には制限があるとメーくんが説明

労働時間と時間外労働

18歳未満の社員・アルバイトのルールの図解:深夜業、残業・休日出勤、危険有害業務、重量物の制限
項目18歳未満の扱い根拠
時間外労働・休日労働36協定を結んでいても、させることはできない(災害などの臨時の必要がある場合を除く)労働基準法第60条第1項
変形労働時間制・フレックスタイム制原則として適用できない同上
例外的な働き方1週40時間以内で、1日を4時間以内に短縮すれば他の日を10時間まで延長できる。1日8時間・1週48時間以内で1か月・1年単位の変形労働時間制の例による労働もできる同条第3項
18歳未満の労働時間(労働基準法第60条)

深夜業の禁止

18歳未満の人を、午後10時から午前5時まで働かせることはできません(労働基準法第61条第1項)。高校生のアルバイトを夜の閉店作業まで残す、早朝の品出しに入れる、といったシフトは注意が必要です。

  • 交替制で働く満16歳以上の男性は例外とされています。
  • 交替制の事業では、労働基準監督署の許可を受けて午後10時30分まで、または午前5時30分から働かせることができます。
  • 災害などで臨時の必要がある場合や、農林業、畜産・水産業、保健衛生業、電話交換の業務には適用されません(同条第4項)。

危険有害業務の就業制限

年少者労働基準規則第8条は、18歳未満の人を就かせてはならない業務を40以上定めています。主なものは次のとおりです。

  • ボイラーの取扱い・溶接、クレーン・デリックの運転、玉掛け(2人以上で行う補助作業を除く)
  • 最大積載量2トン以上の貨物自動車の運転、動力による巻上げ機・運搬機の運転
  • 運転中の機械や動力伝導装置の掃除・給油・検査・修理、プレス機械の金型やシャーの刃部の調整・掃除
  • 高さ5メートル以上で墜落のおそれのある場所、深さ5メートル以上の地穴、足場の組立て・解体
  • 水銀・鉛・クロム・塩酸などの有害物を扱う業務や、それらのガス・粉じんを発散する場所での業務
  • 有害放射線にさらされる業務、著しく暑熱・寒冷な場所、強烈な騒音を発する場所、病原体に著しく汚染されるおそれのある業務
  • 酒席に侍する業務、特殊の遊興的接客業

坑内での労働も禁止されています(労働基準法第63条)。

重量物の上限

年齢・性別断続作業継続作業
満16歳未満の女性12kg8kg
満16歳未満の男性15kg10kg
満16歳以上18歳未満の女性25kg15kg
満16歳以上18歳未満の男性30kg20kg
18歳未満が取り扱ってはならない重量物の重量(この重量以上は就業禁止。年少者労働基準規則第7条)

18歳以上の人の重量物の目安は職場の腰痛予防対策指針、妊娠中・産後の女性の制限は妊産婦の就業制限で解説しています。

会社がやること

  1. 採用時に年齢を確認する:18歳未満なら年齢を証明する書類を備え付け、名簿で管理します。
  2. シフトを確認する:午後10時以降・午前5時前の勤務、残業、休日出勤が入らないようにします。
  3. 担当業務を確認する:危険有害業務や重量物の取扱いがないか、配属先の作業を確認します。
  4. 雇入れ時の教育と健診を行う:雇入れ時教育と雇入れ時健康診断は年齢にかかわらず必要です。

産業医が関わること

  • 職場巡視で、18歳未満の人が危険有害業務や重量物の取扱いに就いていないかを確認する(産業医の職場巡視)
  • 衛生委員会で、年少者の勤務時間と担当業務の管理状況を確認する
  • 体調不良や長時間のシフトの訴えがあれば、面談して就業上の配慮を助言する

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よくある質問

高校生のアルバイトは何時まで働けますか?

18歳未満の人は、午後10時から午前5時までの深夜に働かせることはできません(労働基準法第61条)。交替制で働く満16歳以上の男性などの例外があります。

18歳未満の社員に残業させてもいいですか?

できません。36協定を結んでいても、18歳未満の人に時間外労働・休日労働をさせることはできません(労働基準法第60条)。災害などで臨時の必要がある場合は別です。

17歳の社員は何キロまで持てますか?

満16歳以上18歳未満の男性は断続作業で30kg、継続作業で20kg、女性は断続作業で25kg、継続作業で15kg以上の重量物を取り扱わせてはいけません(年少者労働基準規則第7条)。

18歳未満を雇うときに必要な書類は?

年齢を証明する戸籍証明書(住民票記載事項証明書など)を事業場に備え付けます(労働基準法第57条)。

まとめ

18歳未満の人には、時間外・休日労働、深夜業、危険有害業務、一定以上の重量物の取扱いが原則として禁止されています。採用時の年齢確認、シフトと担当業務の確認を徹底し、職場巡視や衛生委員会でも管理状況を確認しましょう。

参考:公的機関の資料

この記事の内容は、次の法令・公的機関の資料にもとづいています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

この記事を書いた人

上松 弘典(うえまつ ひろのり)
うえまつ産業医事務所 所長。産業医・労働衛生コンサルタント・総合内科専門医・博士(社会健康医学)・MPH。京都市中京区(四条烏丸)を拠点に、京都・大阪・滋賀・奈良の事業場で嘱託産業医として訪問しています。九州大学医学部卒業後、内科・呼吸器内科の臨床に従事し、東京大学大学院(MPH)、京都大学大学院(博士・社会健康医学)を修了。一般企業のほか病院・クリニックの産業医も務め、メンタル不調・休職・復職の対応、健康診断後の就業判定、製造業の特殊健康診断、ストレスチェックを中心に、企業の健康管理を支援しています。

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上松 弘典
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博士(社会健康医学)
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