【更年期障害】女性ホルモン急減による混乱
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皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。
今回は、働く女性の健康課題として近年企業でも対応が急務となっている「更年期障害」について、その医学的なメカニズムをお話しします。
「最近、急に汗が止まらなくなる」「夜眠れず、日中もずっと体が重い」「些細なことでイライラしたり、涙が出たりする」。 こうした心身の不調に対して、「自分の気持ちが弱いからだ」「怠けているだけではないか」と、ご自身を責めてしまっていませんか。
1. その不調の正体は、脳と自律神経の「パニック」
女性は一般的に、50歳前後で閉経を迎えます。この閉経を挟んだ前後5年間(計10年間)を「更年期」と呼びます。更年期に入ると卵巣の機能が低下し、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が急激に減少します。
では、エストロゲンが減ると、体の中でどのようなことが起きるのでしょうか。
女性ホルモンを分泌するように指令を送っているのは、脳の「視床下部」という部分です。 更年期になると、脳はいつも通り「ホルモンを出せ!」と指令を出しているのに、機能が低下した卵巣からは「もう出せません」と返ってきてしまいます。この状態が続くと、指令塔である脳(視床下部)がパニックを起こし、大混乱してしまいます。
この視床下部は、体温調節や睡眠、感情をコントロールする「自律神経」の働きも司っている重要な器官です。そのため、脳がパニックを起こすと、隣り合っている自律神経も巻き添えになって暴走してしまいます。
これが、突然のほてりや発汗(ホットフラッシュ)、激しい動悸、不眠、めまい、そして強い疲労感や気分の落ち込みといった、多種多様な症状を引き起こす「更年期障害」の医学的な理由なのです。
2. 自分の「ゆらぎ」と上手に向き合う
① 更年期のサインは「人それぞれ(100種類以上)」だと知る
更年期障害というと「ホットフラッシュ(ほてり・発汗)」のイメージが強いですが、実は症状は100種類以上あると言われています。 「肩こり」「関節痛」「ドライアイ」、あるいは「頭に霧がかかったようにぼーっとして、仕事の集中力が落ちる(ブレインフォグ)」など、一見すると更年期とは結びつかないようなサインで現れることも多いということを知っておきましょう。
② 「自分のせいだ」と責めるのをやめる
これまで難なくこなせていた仕事でミスをしてしまったり、イライラして周囲にあたってしまったりすると、強い自己嫌悪に陥ってしまいます。しかし、それは決してあなたの性格が変わったり、能力が落ちたりしたわけではなく、ホルモンの乱高下による「生理現象」です。「今はそういう時期なのだ」と、まずはご自身を許し、受け入れてあげてください。
③ 気合いで乗り切ろうとせず、婦人科(医学の力)を頼る
「病気ではないから」「先輩たちもみんな我慢して通ってきた道だから」と、一人で耐え忍ぶ必要は全くありません。現代において、更年期の不調はホルモン補充療法(HRT)や漢方など、医学の力で十分にコントロール・改善できる時代です。日常生活や仕事のパフォーマンスに少しでも支障が出ていると感じたら、迷わず婦人科を受診し、専門家に相談してください。
自分らしくあるために
更年期は、英語で「Menopause(メノポーズ=休止)」と呼ばれる一方で、「The Change of Life(人生の転換期)」とも表現されます。
これまでの働き方や無理のきいた生活を見直し、心と体を思いやりながら、これからの生き方を調整していくための大切な期間です。企業側も「更年期離職」を防ぐための理解とサポートが求められていますが、まずはご自身が、自分自身の身体を一番に労わるようにしてください。
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