業種によって、産業医に頼みたいことは変わります
産業医が必要になるのは、業種を問わず「事業場ごとに、パート・アルバイトを含めて常時50人以上」の場合です。ただ、産業医に相談したいことは業種によって大きく違います。店舗の転倒や腰痛、厨房のやけど、夜勤の健康診断、研究所の化学物質、IT企業のメンタルヘルス不調など、業種ごとのポイントをコラムにまとめました。京都市の事業所数の多い業種から順に並べています。
事業所数は、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」(e-Stat 表16-1)の京都市・民営事業所のうち、常用雇用者50人以上の数です。
業種別に見た、メンタルヘルス不調の状況
厚生労働省の調査では、メンタルヘルス不調で連続1か月以上休業した人や退職した人がいた事業所の割合は、全産業で13.5%でした。情報通信業、学術研究・専門サービス業、金融業・保険業では、全産業を大きく上回っています(情報通信業は約2.8倍)。
| 業種 | メンタルヘルス不調で1か月以上休業・退職した人がいた事業所 |
|---|---|
| 情報通信業 | 37.4% |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 27.0% |
| 金融業,保険業 | 24.3% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 21.1% |
| 製造業 | 18.1% |
| 医療,福祉 | 16.8% |
| 教育,学習支援業 | 15.3% |
| 不動産業,物品賃貸業 | 14.9% |
| 運輸業,郵便業 | 13.3% |
| 卸売業,小売業 | 8.5% |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 8.3% |
| 建設業 | 7.1% |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 3.3% |
| 全産業 | 13.5% |
出典:
厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」(令和8年8月公表)
業種を問わず共通のこと
- 産業医の選任義務は、会社全体ではなく事業場(店舗・工場・支店など)ごとに、パート・アルバイトを含めて常時50人以上かどうかで判断します(パート・アルバイトが多い職場の産業医)。
- 50人以上になった日から14日以内に産業医を選任し、労働基準監督署へ選任報告を出します(京都の産業医選任ガイド)。
- 50人以上の事業場では、衛生管理者の選任、衛生委員会の毎月の開催、ストレスチェックの実施も必要です。
- 50人未満の事業場でも、健康診断後の措置や休職・復職の判断で医師の意見が必要な場面があります。当事務所では月額20,000円(税別)の顧問契約でご相談いただけます(顧問契約)。
業種別の産業医についてのよくあるご質問
Q. 自社の業種のコラムがない場合も相談できますか?
A. できます。産業医の選任や衛生委員会、ストレスチェックなどの基本は業種を問わず同じです。業種ならではの課題は、職場巡視や面談でお聞きしながら対応します。
Q. 業種の違う事業場が複数ある会社は、どうすればよいですか?
A. 産業医の選任は事業場ごとに判断します。業種によって衛生管理者に必要な免許の種類(第一種・第二種)が違う点にも注意が必要です。同じ産業医が複数の事業場を担当することもできます。
Q. 京都以外の事業場でも相談できますか?
A. 大阪・滋賀・奈良の事業場には訪問し、それ以外の地域はWeb面談で対応しています。宮古島・沖縄にも定期的に訪問しています。