マスクのフィットテストの話
今回は、呼吸用保護具(防じんマスクや防毒マスクなど)を使用する事業場にとって重要な法改正のお話をしたいと思います。
🚨 義務化対象の拡大と実施者の要件化
これまで推奨されてきた呼吸用保護具の「フィットテスト」の実施が、いよいよ法的な義務となり、さらに実施者にも専門的な要件が求められます。
🔑 義務化の対象となる作業場
フィットテストの実施(1年以内ごとに1回)が義務付けられるのは、主に以下の二つのケースです。
| 対象ケース | 概要 | 施行時期 |
| ケース1:金属アーク溶接等 | 屋内作業場で継続的に金属アーク溶接等作業を行う場合 | 2023年4月1日 |
| ケース2:第三管理区分 | 作業環境測定の結果が第三管理区分に区分され、改善が困難な作業場(有機溶剤、特定化学物質、粉じん、鉛など) | 2024年4月1日 |
注意点: 義務化の対象となるのは、顔面に密着させる**「タイトフィット形」**の呼吸用保護具を使用する場合です。御社の作業場がこれらのケースに該当するか、直近の作業環境測定結果と照らし合わせて必ずご確認ください。
👨🏫 誰がフィットテストを行うべきか?
2024年4月1日以降、フィットテスト実施者の要件は、以下のいずれかです。
1. フィットテストに関する教育を修了した者
労働衛生各機関が実施する「呼吸用保護具のフィットテスト実施者養成講座」等、専門的な教育・講習を修了し、知識と技能を習得した者。
2. 上記と同等以上の知識及び技能を有する者
実務経験や専門資格などに基づき、講習修了者と同等以上の専門性があると事業者が客観的に認める者。
これは、単に機器を操作するだけでなく、テスト結果からマスクの選定、適切な着用指導まで一貫して行える専門性の確保を国が求めていることを意味します。
化学物質管理が必要な職場では保護具着用管理責任者の専任も同時期(2024年4月)に義務化されたので、保護具着用管理責任者がフィットテスト実施者を兼ねている事業所も多いですね。
📝 フィットテスト導入の具体的アクション
- 対象作業の確認と計画策定
- 御社の作業場のうち、義務化の対象となる作業(溶接、第三管理区分など)を特定しましょう。
- 対象となる作業者とマスクを確認し、来年度の年間衛生計画にフィットテストの実施時期を組み込みましょう。
- 実施者の選定と育成
- テストを担当する方を決め、実施者養成講習の受講を手配しましょう。
- 受講記録(修了証など)を必ず保管しましょう。
- 記録の適切な管理
- 実施したフィットテストの結果(定量的または定性的な評価)は必ず記録し、適切に保存しましょう。
🤝 最後に
呼吸用保護具は、有害物質から作業者を守る重要なツールです。法令遵守と作業者の健康を守るため、今回の改正を機に、保護具管理のレベルアップとなればと思います。
