「治療と仕事の両立支援」3つのステップ
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皆さんこんにちは。うえまつ産業医事務所です。
今回は、いつ誰の身に起きてもおかしくない「病気の治療と仕事の両立支援」をテーマにお話しします。
1. 「病気=退職」は過去の常識?
もし明日、ご自身や大切な同僚が「がん」や「難病」などの大きな病気を宣告されたら、「治療に専念するために仕事を辞めなければならない」と考えてしまいませんか?
現在、日本人の「3人に1人」が、働く世代(15〜64歳)でがんに罹患すると言われており、大きな病気は決して珍しいことではありません。
しかし、医療技術の進歩により、かつては長期の入院が必要だった病気も、現在は「通院」と「服薬」によって、働きながら治療を続けることが十分に可能になっています。厚生労働省も「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を策定し、企業に対して、労働者が治療を受けながら働き続けられる環境を整備することを強く求めています。
2. ひとりで抱え込まないための3つのステップ
とはいえ、治療による体力の低下や副作用、通院時間の確保など、働きながらの治療には不安がつきものです。いざという時に備えて、知っておいていただきたい3つのポイントをご紹介します。
① まずは「産業医」に相談を!
病気になった時、直属の上司や人事担当者に直接言い出しにくい場合は、まず産業医に相談してください。産業医は、主治医(病院の担当医)の意見をもとに、「現在の業務内容であれば無理なく続けられそうです」「このような就業配慮があれば安全に働けます」といった医学的かつ中立的な立場から、医療と職場の架け橋となって具体的なアドバイスを行います。
② 「柔軟な働き方」の制度を活用する
通院のための「時間単位の有給休暇」や、体調の波に合わせやすい「フレックスタイム制」「テレワーク」、体力的な負担を減らす一時的な「短時間勤務(時短勤務)」など、会社に設けられている制度を最大限に活用しましょう。ご自身の治療スケジュールに合わせて、これらの制度を組み合わせ、「無理のない働き方」をデザインすることが両立への第一歩です。
③ 職場全体で「お互い様」の風土を作る
急な体調不良や通院で休むことになった時、当事者が一番気にしているのは「周囲への申し訳なさ」です。日頃からコミュニケーションを取り合い、業務の進捗を共有してフラットにカバーし合える「お互い様」の組織風土こそが、最強の両立支援になります。
働き続けられる環境の整備を
「病気の治療と仕事の両立支援」は、決して特別な誰かのためのものではありません。
明日、自分自身が当事者になる可能性は誰にでもあります。だからこそ、「もし病気になっても、この職場なら働き続けられる」という安心感は、すべての従業員にとっての大きな心の支え(心理的安全性)となります。
従業員の皆さんがいざという時にも希望を持って働き続けられるよう、ぜひ今日から「治療と仕事の両立」や「柔軟な働き方」について、職場内で考える機会を持ってみてください。
