こんにちは!今日は、2024年4月から始まった医師の時間外・休日労働上限規制についてお話ししますね。この新しい規制は、医師の時間外労働を年間960時間、月100時間未満に制限するものです。これって、一般の業種の年間720時間の上限と比べても高い数値なんですよ。でも、医療の公共性や医療提供体制の確保の必要性を考えて、道半ばでありますが今回のような形になりました。

規制の背景と目的

医師の長時間労働って、労働意欲の減退や過労死のリスクを高めるだけじゃなくて、医療の質や安全性にも悪影響を及ぼすんですね。これまで医療業界では長時間労働が常態化していて、医師の自己犠牲の上に成り立っている現状がありました。だからこそ、医師の健康確保と労働環境の改善を目的として、この働き方改革が導入されたんですね。

保健師・衛生管理者の役割

産業医、保健師や衛生管理者の皆さんはこの改革においてとても重要な役割を果たします。労働者の健康管理を担当し、医療機関の衛生環境を整える責任があります。具体的には、以下のような業務が求められます

  • 健康診断の実施とフォローアップ:定期的な健康診断を実施し、異常が見つかった場合には速やかに対応します。
  • 労働環境の改善:作業環境の衛生上の課題を確認し、必要な改善策を講じます。
  • 労働衛生保護具の整備:化学防護服や保護眼鏡などの労働衛生保護具の点検と整備を行います。
  • 健康教育と相談:労働者に対して健康教育を行い、健康相談を受け付けます。

問題点

  1. 医師の労働時間の把握が困難:医師の労働時間は診療科や個々の業務内容によって大きく異なるため、正確な労働時間の把握が難しいという問題があります
  2. 医療提供体制の維持:時間外労働の上限が設定されることで、医療提供体制に影響が出る可能性があります。特に、緊急対応が必要な場合や、医師不足の地域では対応が難しくなることが懸念されます
  3. 精神的負担の増加:長時間労働の制限により、医師の業務量が減少する一方で、業務の効率化や分担が進まない場合、精神的な負担が増加する可能性があります

改善点

  1. 労務管理の強化:労働時間の正確な把握と管理を徹底するために、労務管理システムの導入や改善が必要です。これにより、医師の労働時間をリアルタイムで把握し、適切な対応が可能となります
  2. 業務分担の見直し:医師の業務を他の医療スタッフと分担することで、労働時間の短縮を図ります。例えば、診療補助や事務作業を看護師や医療事務スタッフに任せることで、医師の負担を軽減します
  3. 健康管理の強化:保健師や衛生管理者が中心となり、医師の健康状態を定期的にチェックし、必要なサポートを提供します。これには、メンタルヘルスケアやストレスチェックの実施が含まれます
  4. 医療機関のネットワーク化:地域の医療機関が連携し、医師の労働負担を分散させる取り組みが求められます。これにより、特定の医師に業務が集中することを防ぎます

結論

医師の働き方改革は、医師の健康確保と医療の質向上を目指す重要な取り組みです。産業医、保健師や衛生管理者は、この改革を支える重要な役割を担っており、労働環境の改善や健康管理の強化を通じて、医師の負担軽減に貢献することが求められます。労務管理の強化や業務分担の見直し、医療機関のネットワーク化など、具体的な改善策を講じることで、医師の働き方改革を成功に導いていきたいですね。

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