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皆さんこんにちは。お仕事をしている際に、健康や効率にマイナスの影響を与えてしまっていると感じる環境や作業方法はありますか?
仕事の効率と快適さを向上させるために、人間工学に基づいて設計された環境や作業方法のことを、エルゴノミクス(Ergonomics)言います。エルゴノミクスは、特に職場において、従業員が健康的で効率的に働けるようにデザインされるものです。今回は、エルゴノミクスについてまとめました。皆さんの職場に取り入れられる部分があれば、ぜひ参考にしてください。
エルゴノミクスの主な要素
- 作業姿勢の改善: 長時間座りっぱなしや立ちっぱなしで作業することは、腰痛や肩こり、首の痛みなどを引き起こす可能性があります。エルゴノミクスでは、椅子や机の高さ、モニターの位置などを調整し、自然で無理のない姿勢を保てるように設計します。
- 適切なデスク・椅子の選択: エルゴノミクスに基づいたオフィスチェアやデスクは、腰や背中への負担を軽減するように設計されています。例えば、調節可能な椅子やスタンディングデスクを使用することで、作業中の姿勢を変えられるようにすることが推奨されます。
- デバイスの配置: キーボードやマウス、モニターの位置も重要です。腕が自然に置ける高さにキーボードを配置し、モニターは目の高さに合わせることで、首や肩にかかる負担を減らします。
- 作業環境の整備: 照明や騒音、空調など、作業環境全体を最適化することもエルゴノミクスの一環です。適切な照明を確保し、目の疲れや集中力の低下を防ぎます。
エルゴノミクスの効果
身体の負担軽減
正しい姿勢を維持しやすくすることで、身体の疲労や痛みを予防します。
- オフィスチェアと作業姿勢の改善:エルゴノミクスに基づいたオフィスチェアや作業姿勢を導入した結果、腰痛や肩こり、首の痛みが顕著に減少したとの報告があります。
- 立ち作業と座り作業のバランス:長時間の座位作業を減らし、立ち作業を増やすことで、腰痛の発生率が低下することが確認されています。様々な研究にて座り続けることが健康に悪影響を及ぼす結果が示されており、スタンディングデスクの使用推奨に繋がっています。
生産性の向上
快適な作業環境は、集中力を高め、作業効率を向上させます。
- エルゴノミクスの介入と生産性:オフィス環境のエルゴノミクス改善など、職場におけるエルゴノミクスの改善が従業員の生産性向上に寄与することが示されています。
- コンピュータ作業とエルゴノミクス:エルゴノミクスに基づいたキーボードとマウスの配置が、手首や腕の負担を減らし、タイピングの速度と正確性を向上させることが確認されています。これらの活用により、作業のスピードが上がり、エラーの発生が減少することに繋がると考えられます 。
ケガの予防
長時間の不適切な姿勢による慢性的な痛みや障害の予防に繋がります。
- エルゴノミクスの改善が、職業性疾患、特に筋骨格系の障害の予防に効果的であることが示されています。特に、繰り返し動作や長時間の同一姿勢に起因する腱鞘炎や腰痛の発生率が、エルゴノミクス改善により著しく低下することが分かっています 。
日常生活でのエルゴノミクスの取り入れ方
エルゴノミクスは職場だけでなく、日常生活でも重要です。例えば、長時間座っている場合は、1時間ごとに立ち上がって軽くストレッチをする、デスクでの作業時にモニターの高さを調整するなど、簡単に取り入れられる工夫が多くあります。
1. 作業環境のエルゴノミクス
デスクと椅子の配置
- 椅子の高さ調整: 座ったときに膝が90度の角度で曲がり、足の裏が床にしっかりとつくように椅子の高さを調整します。
- デスクの高さ: デスクは肘が90度に曲がる高さに調整し、手首が自然な位置でキーボードを打てるようにします。
- モニターの位置: モニターの上端が目の高さと同じか、少し下にくるように調整し、視線が自然に下向きになるようにします。
エルゴノミクスアクセサリーの使用
- リストレスト: キーボードやマウスの下にリストレストを置き、手首の負担を減らします。
- エルゴノミクスチェア: 背もたれが腰をサポートし、調節可能なアームレストやヘッドレストが付いているチェアを使用します。
2. 作業中の姿勢と習慣
姿勢の維持
- 正しい姿勢: 背筋を伸ばし、肩をリラックスさせた状態で座るように心がけます。肩が前に出たり、腰が曲がったりしないように注意します。
- 脚の位置: 膝がデスクの下に自然に収まるようにし、足の裏が完全に床に付くようにします。
休憩とストレッチ
- 定期的な休憩: 1時間ごとに5-10分の休憩を取り、立ち上がって歩くなどして身体をリフレッシュします。
- ストレッチ: 短いストレッチを取り入れて、首や肩、背中の緊張を和らげます。例えば、肩を回したり、首を横に倒してストレッチします。
3. 家庭内でのエルゴノミクス
家庭での作業環境
- キッチンや勉強机の調整: 料理や勉強の際には、作業台の高さや椅子の高さを調整して、背中や腰に負担をかけないようにします。
- 家事の工夫: 掃除機や洗濯機などの家事道具も、使いやすい高さや設計のものを選ぶと身体への負担が軽減します。
デジタルデバイスの使い方
- スマートフォンの使用: スマートフォンを長時間使用する場合は、手首や首の負担を減らすために、両手で持ち、視線を下に向けるのではなく、目の高さに合わせるようにします。
- ノートパソコンの使い方: ノートパソコンを使う際は、外部キーボードとマウスを使用し、ノートパソコンは台に載せて画面を目の高さに合わせると良いです。
まとめ
エルゴノミクスは、身体的負担の軽減、生産性の向上、そして職業性疾患の予防といった面でその効果が裏付けられています。これらの効果は、エルゴノミクスが職場や日常生活において非常に重要であることを示しており、適切な環境整備が健康とパフォーマンスに直結することを示唆しています。作業環境の整備や正しい姿勢、適切な習慣を意識することで、長時間の作業や家事による負担を軽減し、身体の不調を予防するだけでなく、より健康的な生活を送ることを目指しましょう。